優れた才能「ギフテッド」を持っている
学習障害をはじめADHDやアスペルガー症候群などの発達障害を持った子どもたちの中には、特定の学術分野で高い潜在能力を持っている場合があります。それは、発達障害を持った人は過度に感じやすく精神活動が活発だからです。一般の人とは違う才能を持っているため「ギフテッド」と呼ばれることがあります。
レッテルを貼られやすい
特定の分野において並外れた高い能力を持つギフテッドですが、一般的な子どもと同じ行動ができないことばかりがピックアップされ、レッテルを貼られることがあります。その状態では自信を回復して積極的に勉強する姿勢にはなれませんし、自身の持つ才能を自覚することもできません。子どもは大人の影響を受けやすいので、まずは大人が人間には誰しも偏りがあることを認めて許容することが大切です。
日本は海外ほどギフテッドという言葉が浸透していません。それは学習障害やADHDなどの発達障害を持つ人に対して偏見を持っている人がそれなりにいるからです。「障害を持っている」というレッテルばかりに着目し誤解している人が多いため、才能を伸ばすチャンスを奪われているのです。素晴らしい才能を伸ばせるように社会全体でサポートしている海外のように、日本も発達障害を持つ子どもに対するサポートをもっと手厚くする必要があります。
20世紀を代表する物理学者「アインシュタイン」
ギフテッドの才能を活かして活躍している人は国内外を問わずたくさんいます。一番有名なのは、天才物理学者の「アインシュタイン」ではないでしょうか。
わずか9歳でピタゴラスの定理を証明したアインシュタインですが、5歳までは言葉を話すことができず、癇癪持ちで感情の起伏が激しい、扱いにくい子どもだったそうです。突飛な行動も多かったことから「普通の人とは違う」と周囲から思われていました。確かに、行動だけをみればADHDやASD(自閉症スペクトラム)の可能性は高いでしょう。
ですが、アインシュタインは数学と物理の才能という素晴らしいギフテッドを持っていたのです。周囲からは興味のある数学と物理ばかりを勉強し他の科目は怠けていると思われていましたが、爆発的な集中力で研究に打ち込み物理学に大きな進歩をもたらしました。現在ではアインシュタインは「普通とは違う扱いにくい人」ではなく、「世界に影響を与えた素晴らしい人」として認識されています。
勉強ができないとレッテルを貼られて自信をなくしている学習障害の子どもたちも、もしかしたらアインシュタインのように他の分野では突出したものすごい才能を秘めている可能性があります。諦めず前向きな姿勢で人生を歩めるようにサポートしていくのが、周囲の大人たちの役割です。
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