学習障害の概要と症状
知的な遅れはないのに教科書の音読ができない、黒板の文字を書き写せないといったように「読む」「書く」「計算」「聞く」「話す」などの特定の分野に困難があることを「学習障害」といいます。
特定の領域で学習の遅れがみられる「学習障害」
学習障害とは知能の働きに問題があり正常な日常生活が困難な知的障害とは違います。知的な遅れや視聴覚に障害がなく教育環境も整っており、本人の努力にも問題がないにもかかわらず、読み書きや計算などの特定の分野に限って遅れ(障害)がみられる状態のことです。教育現場を統括している文部科学省では、学習障害のことを「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」のうち、特定の能力の習得と使用に困難が生じる発達障害のこと、と定義しています。
学習障害の症状
学習障害のひとつ「読み書き障害」は就学前に気づかれることはあまりありません。小学校に入学後、保護者や教師が読み書きが困難な状態をみて「もしかしたら」と気づくことがほとんどです。読み書き障害によくみられる症状をいくつか紹介します。読み書き障害でなくても心当たりのある症状がほとんどですが、7個以上当てはまるようなら読み書き障害である可能性が高くなります。
「読み」の症状
『字を読むのを嫌がる』『長い文章を読むと疲れる』『文章の音読に時間がかかる』『読むことはできても理解していない』『文字をひとつずつ区切って読む逐次読みになる』『単語や文節を途中で区切ってしまう』などが「読み」に該当する部分です。
また、『促音・撥音・拗音などの特殊音節を間違いやすい』『○○は、の時に「わ」と読めない』『「シ」や「ツ」のように似ている形態の文字が読みわけができない』『読み方が複数ある漢字を間違って読むことが多い』『文字はみえているのに意味が理解できず音読できない』といった症状もあります。
「書き」の症状
『字や文章を書くのを嫌がる』『書くのに時間がかかる』『早く書けても雑で読めない』『書き順を気にしない』『漢字ではなくひらがなを使いたがる』『句読点を書かない』『マス目や行を気にしない』『筆圧が強すぎる(弱すぎる)』などが読み書き障害の「書く」に該当する部分です。
また、「読み」と同じように『促音・撥音・拗音などの特殊音節を間違いやすい』『似ている形態の文字を間違いやすい』『文字はみえていても意味が理解できず書けない』などや、『「お」と「を」のように、耳で聞くと同じ音の文字を書き間違いやすい』といった症状もあります。
学習障害はどのように診断されるのか?
学習障害かどうかを診断するには専門機関や医療施設で知能検査と音読検査を受けなければなりません。この検査の結果を総合的に判断し、読字障害の可能性がある場合は次の段階検査を受けてより詳しい状態を計測します。また、書字の評価や視覚認知の評価、各種心理検査などを組み合わせて最終的な診断を下します。
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