社会とのつながりを感じられる「フリースクール」
学習障害の子どもは「やる気がない」「できない子ども」というレッテルを貼られやすいこともあり、心に傷を抱えているケースも少なくありません。学校に行きたくないと不登校になる子どもも多いのですが、そのような子どもたちの学習を支援し、学校以外の居場所としてニーズが高まっているのが「フリースクール」です。
学習障害が不登校の引き金に
読み書きや計算など特定の分野に遅れがみられる学習障害ですが、「勉強についていけずやる気を失う」「他のみんなはできるのに自分はできないと劣等感を感じる」「頑張ってもできないと投げやりになる」「努力が実らないことで自尊心が低くなる」「テストの結果を比較されることで自信をなくす」「進路が狭まり将来に期待できない」など、学習障害が原因で「学校に行きたくない」と不登校になってしまうケースも少なくありません。不登校は小学生に比べて中学生に多くみられますが、それは勉強のウェイトが増すからです。定期テストで成績を比較され、個人の評価=学力、となってしまうためますます自信をなくしてしまうのでしょう。
不登校の子どもをサポートする機関はたくさんありますが、その中でも学びに力を入れているのが「フリースクール」です。
「フリースクール」
フリースクールとは学校に行きたくても何らかの理由で行けない・行きたくない、という子どもたちが、小学校や中学校、高校の代わりに過ごす場所のことです。不登校の子どもだけではなく学習障害や身体障害、知的障害の子どもたちも受け入れています。
フリースクールはNPO法人やボランティア団体などの民間が運営しているので方針や教育理念はそれぞれ違いますが、子どもの主体性を尊重しているのは共通しています。
社会とのつながりを感じられる
子どもにとって学校は社会とのつながりを感じられる場所でもあります。学校に行かなくなると家族以外の他人と接する機会が少なくなってしまうため、社会から取り残されたような感覚になってしまいます。ますます自分の殻に閉じこもってしまい、引きこもり状態になってしまうわけですが、フリースクールはこうした悪循環を防止する役割も持っています。
その一方で、フリースクールに登校することで満足してしまい、学校に復帰する意欲がなくなってしまう問題もありますが、自宅以外の場所で家族以外の人と交流できる環境は社会とつながる大事な接点です。目にはみえない、子どもが抱えている不安や焦りといった心の負担を和らげる効果があるので、学校に行けなくてもフリースクールに通っていることを評価することが大切です。
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