子どもが安心できる接し方を心がける
学習障害だと疑われた場合はまず、各都道府県にある発達障害者支援センターや保健センター、子育て支援センターに相談します。必要があればそこで詳しい検査ができる医療機関を紹介してもらい、さまざまな検査を受けて学習障害かどうか診断します。
なぜ医療機関の診断が必要なのか
これは学習障害だけではなく発達障害全般にいえることですが、人間にはさまざまな能力があります。病院で問診や聞き取り、行動観察など様々な検査を受けることによって、「数学的処理の能力だけが低い」「言語面で困難がある」といったように能力別のスコアが明らかになります。診断がはっきりすることで適切な対処を検討しやすくなるため、その子どもに最適な支援ができるようになるのです。
穏やかに話しかける
学習障害の子どもは知能的な遅れはなく、ADHDのように多動性や衝動性が強いわけではありません。こちらからの質問にもしっかり答えてくれるのですが、音の意味を捉えることが困難な場合もあるためうまく話が聞き取れないかもしれません。子どもの状況を知るためには対話が重要です。話が通じないからといら立ってしまっても聞き出すことはできません。できるだけ穏やかに話しかけましょう。赤ちゃんをあやす時のように顔をしっかりみながら、ゆっくり、はっきりと話しかけていくと次第に子どもの緊張がほぐれ、様々なことを話してくれるようになります。話すことで自分の頭の整理もできるため、子どもの不安解消にもつながります。
気に入った大人には心を開く
子どもは気に入った大人には心を開いてどんどん話しかけてきます。言葉を重ねて質問しなくても「最近の学校はどうかな?」と一言聞くだけでいろいろ話してくれるようになるので、心を開いてくれるようにこちらから歩み寄ることが大切です。
トーンを落として話す
他者の細かい行動を観察してリスニングにつなげるマイクロカウンセリングという技術を活用するのもひとつの方法です。人間は相手が自分よりも早口で話していたり、大きい声で話しているとうまく話せなくなってしまいます。相手の子どもよりもゆっくり、トーンを落として話すようにしましょう。
学習障害のサポートに力を入れている機関の対応も参考にする
学習障害の子どもの診察や診断、評価、指導を行っている専門の医療機関の対応を参考にするのもひとつの方法です。大阪府にある「堺清恵会LDセンター(学習障害支援)」を一例として紹介します。
堺清恵会LDセンター(学習障害支援) 症状ごとに具体的な指導方法が紹介されています。病院を受診する人向けの内容ですが、具体的なサポート内容がイメージできるので学習障害に興味がある看護師にも参考になるでしょう。学習障害の理解を深めたい看護師におすすめ
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学習障害のある子どもを支える施設
自ら学ぶ力を養う「放課後等デイサービス」
学習障害の子どもをフォローする「放課後等デイサービス」は施設によって取り組む内容が違います。学習塾タイプなら、個々に合わせて指導してくれるので自信をなくした子どもたちも前向きに勉強に取り組むことができます。